No.13 平成8年7月15日号 権力の証として ~古墳時代の遺跡~

更新日:2022年09月29日

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 前回は、習志野市で確認されている縄文遺跡の分布についてご紹介しましたが、豪族が現れてくる古墳時代(4世紀から6世紀ごろ)の遺跡は市内でもいくつか確認・調査されています。6月15日号の「情報ランドならしの」でお知らせした実籾霊園遺跡の工房跡もそのひとつです。しかし、この時代を代表する市内の遺跡としては、鷺沼城址公園内の鷺沼古墳群を忘れることはできません。
 鷺沼古墳群は昭和41年に群馬大学によって発掘調査が行われ、A号墳からは、人物や馬をかたどった形象埴輪の一部と円筒埴輪が出土しました。これらの埴輪は「下総型埴輪」とよばれ、印旛沼や手賀沼周辺出身の工人がこの地に招かれて製作したものと考えられています。これよりややあとの時期(6世紀末)のものと思われるB号墳からは砂岩を使った箱式の石棺が見つかり、中からは直刀やつば、やじりなどが出土しました。この砂岩は安房地方の海岸で産出したものと考えられ、加工のしやすい大きな岩を遠方より運んできたことがわかります。現在、この石棺は上屋を作り公開しています。実籾の工房を支配していた一族と、鷺沼古墳群の主との関連は明らかになっていませんが、自らの権力の象徴として装飾品で身を飾り、他の地域より材料を集めて古墳を作らせた豪族の姿を思い起こさせる遺跡となっています。

群馬大学の関係者が鷺沼B号墳石棺で発掘作業を行っている様子の白黒写真

鷺沼B号墳石棺(昭和41年発掘調査当時)

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