No.128 平成24年1月15日号 雲龍水・龍吐水

更新日:2022年09月29日

ページID : 5563

雲龍水(うんりゅうすい)・龍吐水(りゅうどすい)

 今年の十二支は辰です。これにちなんで龍に関連した話題を取り上げましょう。
 中央消防署の1階に、「雲龍水」と呼ばれるものが展示されています(写真)。これは、江戸時代から明治時代初期に使用された手押しの消防ポンプの一種で、「龍吐水」ともいいます。水が入った箱にポンプが付けてあり、腕木を上下させると水が噴出します。その様子を龍が水を吐くさまに例えてこの名がついたと考えられます。消火の能力はあまり高くなく、主に延焼を防ぐための水をかけたり、火消しの服に水を含ませたりするために使われたといわれています。もっと小型で、水鉄砲のような仕組みで放水するタイプのものもありました。展示されている雲龍水は、習志野市防災協会発足五十周年記念事業の一環として、平成21年に復元製作されたものです。
 ところで龍吐水は江戸時代、市内でも使われていた記録があります。鷺沼の医師であった渡辺東淵(わたなべとうえん)という人が、文政7年(1824年)から安政6年(1859年)の36年間に渡って近隣の村々の出来事を記録した「渡辺東淵雑録(ざつろく)」と呼ばれる古文書の、天保10年(1839年)の部分に、こんな記事があります。
 「九月中旬 龍吐水 求(もとむ)ル 村中ニテ二丁 代壱朱遣(つかわ)ス」
 鷺沼村が龍吐水を「二丁」求めて、代金一朱を払ったと記されています。代金が一朱(一両の16分の1)とそれほど高価ではないこと、また「二丁」という数え方をしていることから、消防署に展示されているような大きなタイプであるとは考えにくく、小型の水鉄砲タイプのポンプだったと考えられます。

[参考文献]
『習志野市史 第三巻 史料編(II)』828ページ

紅白幕の前に「雲龍水」と書かれた手押し消防ポンプが置かれた写真
「雲龍水」と書かれた手押しの消防ポンプの写真

雲龍水の放水演技は以下の動画「なるほど習志野(平成30年4月号)」で御覧いただけます(3分28秒から)。

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