No.50 平成13年7月1日号 ならしの“よもやま話” 「鷺沼にクジラがあがった話」

更新日:2022年09月29日

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ならしの“よもやま話” 「鷺沼にクジラがあがった話」

 昔、鷺沼にクジラがあがった話を聞いたことがありますか?明治28年頃のことだそうですが、当時この辺り一帯は大変な騒ぎになったようです。今回のよもやま話は、そのかわいそうなクジラの話を紹介したいと思います。
 クジラは、おそらく小さなイワシとかを追いかけてきたのでしょう。浅瀬に乗り上げ、ついには動けなくなってしまったんですね。長さは12間、体の9分どおりが鷺沼村の浦に入っていたのですが、おっぽはちょっと幕張村にかかっていたそうです。そのため、二つの村で言い争いがおきました。お互いに「こりゃ、おらのものだ」と簡単には譲りませんでしたが、結局は頭がこっちにきているのだからということで、鷺沼がもらうことになったようです。
 このクジラのうわさはあっという間に広まり、遠くから大勢の人が見物にやって来ました。自分たちのものとなったわけですから鷺沼村にとっては、村が潤ういいチャンスです。その人達を小船に乗せ、見物料を3銭とりました。このクジラが村にもたらした潤いは、「クジラ一頭、七浦潤す」という言葉があったように、とても大きなものでした。このお金のおかげで鷺沼の分校が建ったという話です。
 この時の模様は、数え歌にもなって残っているので、その一部分を紹介します。

一つ 非常に珍し 運の尽き 鷺沼浦へとのし上がる このオオクジラ

二つ 船橋 海神 八幡あたりまで 四方の見物数知れぬ このオオクジラ

三つ 見つけた人は誰々でも 先いきゃどうなることだやら このオオクジラ

〜中略〜

八つ 山ほど見物きたけれど 驚く人は数知れず このオオクジラ

九つ 小船の連中が客を乗せ 切符の提供は3銭で このオオクジラ

十で 土地の人家で4、5日は 農家家業はできやせぬ このオオクジラ

この唄を知っている人は、今となっては、もうほとんどいないとのことですが、昔は、よく宴会でこの唄が歌われたそうです。

体の各部の名称がかかれた鯨の絵

鯨(習志野市史資料集五 渡辺東淵雑録より)

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