No.47 平成13年2月1日号 埋蔵文化財保護入門1 ~開発と埋蔵文化財保護~

更新日:2022年09月29日

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埋蔵文化財保護入門1 〜開発と埋蔵文化財保護〜

 JR津田沼駅南側に広がる畑地や宅地に所在する「谷津貝塚」の範囲で、駅と向山小を結ぶ道路沿いの住宅街(谷津1丁目)の一角に、平成11年度に新発見された平安時代の遺跡「谷津貝塚E地点」(500平方メートル)があります。この遺跡から平安時代の竪穴住居跡〔たてあなじゅうきょあと〕2軒、掘立柱建物跡〔ほったてばしらたてものあと〕2軒、溝状の遺構〔いこう〕と、土師器〔はじき〕、石器、鉄器等の遺物〔いぶつ〕が発見されました。地面を掘りくぼめてつくった竪穴住居のうち1軒は一辺9メートル程の大きな住居跡で、その周りには、敷地内を区切るための柵を巡らしたと思われる溝の跡が見つかっています。掘立柱建物跡は収穫された農作物を納めた倉庫だったのではないかと考えられます。また出土遺物の中には、文字が書かれた墨書土器〔ぼくしょどき〕が出土していて、習志野市では初めての検出例です。現在「発掘調査報告書」の作成のため、出土遺物等の整理作業を行っています。この遺跡の発見により、都から遠く離れた習志野の古代の村の様子が徐々に明らかになってきました。 ところで、こういった遺跡はどのような経過を経て発掘調査されることになったのかご存じですか?
 土木工事を伴う開発(建物や道路等の建設)を行う場合、遺跡の内外にかかわらず、事前に遺跡であるかどうか教育委員会に照会の協力をお願いしています。照会を受け、専門職員が地表面や地形の観察等を行って遺跡かどうかを判断します。判断が困難な場合は、開発事業者の協力を得て試掘調査(面積の約1%)を実施して、遺物・遺構の有無を確認します。また遺跡である場合は、開発事業者と協議を行い、やむを得ず遺跡の現状保存が困難な開発計画の場合は、発掘調査を実施して、遺跡の内容を「記録」として後世の人々に残します。このようにして「谷津貝塚E地点」も発見されたのです。埋蔵文化財保護のため、開発を計画されている場合、事前に照会の手続きをお願いします。

(注釈)開発にかかる埋蔵文化財の相談、整理作業室(谷津南小内)の見学等(要事前電話予約)社会教育課文化係 埋蔵文化財担当まで

地面を掘りくぼめて作った竪穴住居や溝の跡がある谷津貝塚E地点の白黒写真

谷津貝塚E地点

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電話:047-453-9382 ファックス:047-453-9384
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