No.37 平成11年6月1日号 江戸時代のたくみの技術が明らかに ~旧鴇田家住宅~

更新日:2022年09月29日

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江戸時代のたくみの技術が明らかに 〜旧鴇田家住宅〜

 平成12年度中の完成を目指して、実籾本郷公園予定地に復原作業中の旧鴇田家住宅は、柱や梁〔はり〕などが立ち上がり、この当時の民家としてはかなり大規模な構造が明らかになってきました。そしていよいよ先月から茅による屋根葺き〔やねふき〕作業も始まりました。しかし、長い間使われていた家であることから、後の時代の改築や増築が多く見られるため、解体をしたときの記録や、柱にある痕跡、建築材料の様子などを慎重に検討しながら可能な限り忠実な復原作業をすすめています。
 この時代の民家の特徴として、土台は無く、地面においた玉石の上に直接に柱をこれを梁や屋根など建物本体の重みで押さえ込み、柱がずれないような構造になっていました。梁は長い時間の経過と、松材を使用していることから、かなりのゆがみがみられましたが、それを修正しながら組み立てていきました。また、窓や壁などの柱の間の構造も、柱に残された痕跡を参考に、土壁や格子窓などを復原しています。
 間取りについては、台所などに改造されていた部分のしきりを取り払い、非常に大きな土間や「ミソベヤ」などを復原しました。また、身分の高い人が訪問したときに使われた玄関と、伴の者が待機した「トモマチベヤ」を復原し、当時の名主の家の特徴を明らかにしています。
座敷にあったイロリや、土間のカマドは、床下にあった痕跡や梁のすすの付き方などから位置を確認し、復原しました。イロリは「イタノマ」と「ザシキ」の2か所にあったことが確認されています。
 また、現存している便所の遺構も江戸時代の民家としては大変に貴重なものであり、資料としての価値が高いため、忠実に復原しています。屋根は母屋と違い、杉皮葺きになっていました。
 偉容を明らかにし始めた旧鴇田家住宅は、貴重な文化財として、さらに細部への検討を行いながら復原工事を進めていく計画です。

旧鴇田家住宅の茅葺き屋根の作業を行っている白黒写真

茅葺き作業中の旧鴇田家住宅

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