実籾3丁目遺跡出土土器(習志野市指定文化財)
更新日:2014年4月17日
実籾3丁目遺跡は、実籾本郷・実籾3丁目にあります。この遺跡は、主に縄文時代前期の集落跡です(縄文時代早期の遺構や、中世の道路跡なども見つかっています)。指定されたのは、平成22年の調査(参考:新ならしの散策)で出土した4点の縄文土器です。
No.125 平成23年5月15日号 実籾3丁目遺跡(11)の調査
このうち、縄文時代前期前半期(およそ6千年前)の3点は、竪穴住居跡から出土しました。欠けている部分が少なく、完全に近い形に復元されています。1は縁が大きく波打ち、くびれのある大型の土器、2は片口(かたくち)と呼ばれる注ぎ口が付いた円筒形の土器、3はバケツのような形の土器というように形が多様です。器の表面はこの時期の特徴である複雑な縄文をはじめ、様々な文様で飾られています。
縄文時代早期後半期(およそ8千年前)の1点は、炉穴(ろあな)(住居の外で火を焚いた跡のある穴)から出土しました。一部が欠けていますが、底が尖った大型の土器に復元することができます。棒に撚紐を巻きつけた道具でをこすったり、刻みをつけたりしています。また、細い粘土紐を縦横にミミズばれのように貼り付けています。
これらの土器は、大部分が残っているため、土器づくりの工程、文様のデザイン、文様のつけ方などの研究を進めていく上で有益であり、市内で発見された縄文時代前期前半期・早期後半期の土器資料としては傑出して貴重な資料です。

左3点は縄文時代前期前半期、右1点は縄文時代早期後半期の土器。番号は左から3、1、2、4。

出土状況。右が土器No.1、左がNo.2。竪穴住居跡に多量の貝殻がまとまって捨てられており、その下の方からつぶれた形で出土しました。
名称
実籾3丁目遺跡出土土器
員数
4点
種別
有形文化財(考古資料)
時代
縄文時代
寸法等
No. | 出土遺構 | 器形 | 口径 | 高さ | 底径 | 時代 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | SI-02 | 深鉢 ((ふかばち)) | 41.7 | 47.4 | 8.5 | 前期前半期 |
2 | SI-02 | 片口 ((かたくち)) 付 ((つき))深鉢 | 16.0 | 25.8 | 8.2 | 前期前半期 |
3 | SI-04 | 鉢 | 18.7 | 17.8 | 9.3 | 前期前半期 |
4 | SK-03 | 深鉢 | 27.0 | 48.2 | − | 早期後半期 |
単位はセンチメートル。推定値を含む。
実測図
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更新日:2022年09月29日