都市計画キッズページ7～地区のルール（地区計画）～

この間、お友達の家に行ったら、どのおうちも2階建てで道に沿(そ)って木が植えてあって、とてもきれいだったの。
どうして生垣(いけがき)があんなにきれいにそろった道路が出来たのかしら？

その場所は「地区計画(ちくけいかく)」というまちづくりのルールで、建物の高さや道に沿(そ)って木を植えることが決められている場所だからだよ。

「地区計画(ちくけいかく)」？「用途地域(ようとちいき)」もまちづくりのルールだよね？どこがちがうの？

「用途地域（ようとちいき）」は土地の使い方を決めるルールで、建物の使い方や大きさを制限したり、建物の高さを決めていて、基準は全国共通なんだ。
一方で、「地区計画(ちくけいかく)」はみんなが住んでいる場所を守ったり、もっと良くするために、地区(ちく)のみんなで話し合ってまちなみなどを決めることが出来る、その地区独自(ちくどくじ)のまちづくりのルールなんだよ。

地区計画では地区の目標「地区計画の方針(ちくけいかくのほうしん)」を決めて、それが実現するような具体的なまちづくりのルール「地区整備計画(ちくせいびけいかく)」を作るんだ。
だから、「用途地域(ようとちいき)」よりももっと細かい地区のルールを決めることが出来るんだよ。

地区計画(ちくけいかく)で定められるまちづくりのルールは、主に次の3つの内容について決めることが出来るんだ。

地区施設(ちくしせつ)の配置
みんなが使う道路、公園、広場、遊歩道などを、どこにどう作るかを決めたりするんだよ。
建物の建て方やまちなみのルール
建物の使い方、大きさ、高さ、土地の大きさ、建物を建てる位置やデザイン、道沿いには木を植えるといった約束を決めるんだよ。
保全すべき樹林地(じゅりんち)
守っていく木や森などを決めるんだよ。

(注意)ミニ開発…あまり広くない土地を細かく分けて、建物を建てたりする開発のことを「ミニ開発」というんだ。ミニ開発の中でも、細かく分けた土地の上に新しいおうちを建てて売り出される開発がよく行われているよ。

地区計画(ちくけいかく)で定められるまちづくりのルールはまちのみんなが話し合って作るのよね？
どうやって作るのかしら？

地区計画(ちくけいかく)で定められるまちづくりのルールを決める方法は、次の3つがあるんだよ。

市が中心となってみなさんの意見を聞いて作る方法。
すでに地区(ちく)の目標が決まっている地区計画(ちくけいかく)の場所で、土地を持っている人たち自身が市にお願いして作る方法。
住んでいる人たちがまちづくりのルールを決めて、市に希望を言って作る方法。

じゃあ、私の家の周りも緑の多いまちにしたいときは、みんなで話し合って「どのおうちも道にそって木を植えましょう」っていうルールや、「家の周りに大きな工場は建てちゃダメ」っていうルールを作ることもできるの？

そうだよ。反対に、工場の多い場所に「おうちは建てちゃダメ」というルールを作ることも出来るんだ。

でも、新しく引っこしてきた人とか、地区計画(ちくけいかく)を知らない人がうっかり約束を破っちゃうなんてことはないのかな？地区計画(ちくけいかく)のルールをみんなで守っていく方法はあるの？

住んでいる人や土地をもっている人たちのルールを守っていこうとする意識(いしき)が大事だけど、この他に建物を建てたり新築、増築、改築、移転など、建物の使い方を変えたり用途（ようと）を変更（へんこう）する時などに市役所に届出(とどけで)をしてもらうことになるんだ。
そこで地区計画(ちくけいかく)のルールと建てようとしているものが合っているかを、市が確認するんだよ。
もし合っていなかったら、市が「地区のルールに合わせた計画をしてください」って届出(とどけで)をしてきた人に言うんだ。