No.133 80年の想い【2025年8月1日号】
8月、日本に住む私たちには特別な月です。核兵器が投下され終戦となった80年前の真夏の出来事です。
幕末から明治時代初期にかけて幕藩体制が廃止され、開国と国際化の流れで中央集権統一国家・資本主義社会となり、急激に近代化する中、「終戦」まで日本は各国との戦争に翻弄されてきました。実はこの近代化から終戦の間も約80年です。戦前と戦後、開国から焼け野原を経験し160年経った今日、国民の強い意志と平和への想いを、歴史を通じて学び考える時にきていると思います。
本市は昭和57年(1982年)に千葉県で初めて「核兵器廃絶平和都市」を宣言し、以来、平和の尊さを訴え続けています。毎年、広島市や長崎市で開催される平和祈念式典に、中学生と高校生の生徒で結成した平和市民代表団を派遣している他、市内の小中学生を対象とした被爆体験講話の実施など、さまざまな取り組みを続けています。
しかし、世界に目を向ければ、今も紛争や戦争の火種が消えることはなく、多くの命や財産が失われ続けています。そして昨今、情報化の進展により、誰でも世界中に発信できる社会においては「言葉や表現の暴力」も散見され、議論に用いる言葉や表現も慎重な選択を要する時代となっています。
平和とは、当たり前にあるものではなく、一人ひとりが築いていくものです。そのためには、正しい歴史認識と、多角的な思考を育む教育、そして活動を伴う実体験が大切であり、これらの相互作用による学習が必要だと思います。その上で今の社会を見つめ、未来のために何ができるかを考える姿勢が平和への基礎であると思います。
誰もが心底で希求する「平和で豊かなまちづくり」を、歴史から振り返り考える「年に一度の月」。
現在、計り知れない量の情報が飛び交う中、理性と感情のはざまで正しく理解し扱うことが常に求められています。このコラムがその一助を担えれば幸いです。
命に感謝し、その価値を次の世代へ伝えていくことに思いをはせ、戦争や暴力のない社会の実現を目指しましょう。
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更新日:2025年08月01日