子育て”ショートあるある”（第22話）『どうしてだめなの？～ぐるぐる渦巻く気持ち～』

夏から秋に季節が変わる頃のお話です。

夏休みが終わって、新学期が始まったころ。5歳の息子が園から帰ると 「今日は涙がとまらなかった」と言うのです。 

連絡帳によると、「手洗いをしていたら水遊びになってしまい、その様子をお友だちから「ダメだよ」と言われて…。さらに通りかかった先生からも注意をうけて…。」とのこと。

そして、「涙がとまらないよ～」と泣きながら、お昼ごはんも食べずに寝入ってしまい…。おやつの時間の前には起き上がって、おやつ をお代わり、その後は元気に遊んでいたと書かれていました。

大げさにアピールするその姿が目に浮かび、トホホ…。 

家に帰ってから「どうして涙がとまらないの？」と言うので、「いろんな 気持ちがぐるぐるぐるぐるすると、涙になるんだね」と説明すると、なんとなく納得した様子です。

さらに、「どうして水遊びしてはいけないの？」と言ってきました。 「手洗いのときは遊んではいけません」と伝えたものの、今度は納得できない様子です。 

息子の立場になって振り返ってみると…夏休みの大好きな水遊びは何となく終わって しまい、急に苦手な運動会の練習が始まり、楽しかった思い出とストレス…息子にはどうにも納得できない気持ちが、それこそ「ぐるぐるぐるぐる」と渦巻いているのだなと感じました。 

そこで、「水遊びは夏の遊びだね。秋になったら木の実を拾って、冬に なったら雪で遊ぶね。だから水遊びはおしまい！」と言うと、妙に納得し た様子。効き目があるといいのですが…。 

何となく場面が変わることの多い生活に戸惑いながら、「ダメ」や「いけない」だけでは納得できない子どもたちもたくさんいる…そんな理解が広がったら嬉しいです。