No.98 今が旬。「茜浜」の黄昏時 【2021年11月1日号】

 毎日少しずつ冷気が増し、秋の深まりを感じるこの頃です。
「文化の秋」は、本来ならば秋まつりや文化祭などたくさんの催しで市内各地がにぎわう季節ですが、今は交流を制限せざるを得ず、私も皆さんと対面できる機会から遠ざかってしまい寂しく感じています。

 一方「スポーツの秋」ですが、やはりコロナ禍で全国的に運動量が減少しているデータを目にします。日々努力してはいるものの、私もその例外ではないようです。
市庁舎内での公務が中心となり、夜や土日祝日の在宅時間が増加したことで、必然的に「身体を動かさざるを得ない」場面が減ってしまいました。これは思っていた以上に辛いものです。

 ちょうど1年前、『現実とバーチャルの共存』と題した市長コラム（令和2年11月1日号に掲載）で、ネット依存への対処として「身体を動かすことが有効」「思考と運動を意識して爽やかな秋を過ごしましょう」と書いたメッセージを私自身も噛みしめています。
 そのため、最近は休日を利用して意識的に「動く」ようにしています。よく利用しているのは、東京湾に面した茜浜緑地です。マスクをして人との距離を保ちながらではあるものの気ままに活動できる空間は、自粛疲れの身体がほぐれていく快さもあいまって、これまで以上に貴重なものに感じられます。
 また、眺望の良さも格別です。今の時季は風向きが北寄りで波が穏やかになるので水面の照り返しが美しく、緑地の先端まで行けば「関東の富士見百景」に選出された富士山を、澄んだ空気の中で味わうことができます。混雑を避けてのリフレッシュに適した場所ですので、ぜひ体験してみてください。

 さて、コロナについてはワクチン接種後に感染してしまう「ブレークスルー感染」が報道されており、今後も対策は欠かせません。
 しかし社会全体にワクチンが浸透し、感染したとしても入院しなければならない状態が減ることで、「対処可能な感染症」に近付いていると思います。そして、コロナ禍の出口が見えてきているように感じています。今後も油断せず、状況を捉えて対策にあたってまいります。