No.91 災厄のもたらす「進化」 【2021年3月1日号】

更新日:2022年09月29日

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 平成23年3月11日に発生した東日本大震災から、10年を迎えようとしています。
 液状化現象や建物損壊等の被害に見舞われた本市は、発生直後に災害対策本部を設置して復旧・復興にあたりました。災害対応の真っ只中(平成23年4月)に市長に就任した私にとっては、最初に直面した至上課題となりました。

 あれから10年が経った現在、再び対策本部を設置し、コロナ禍への対応を強いられています。
 想定した以上の災厄は「必ず起こる」ということを教訓として学んだ一方で、その全てを予測することは不可能であることも事実です。しかし、一度経験したことは「想定可能」なことになります。
 過去を振り返れば、結核や新型インフルエンザなど感染症の危険は常につきまとってきましたが、これらの脅威は消え去ったように誤解しがちです。正確には、私たちの対策によって、被害が最小限に抑止されているにすぎないのです。災厄を制圧したのではなく、対策をとり続けていることによって、日常が成り立っていることを改めて理解しなければなりません。
 現在はまさに平穏な日常が脅かされている状況にありますが、一方で想定可能になったことで進化していると捉えることもできます。コロナ終息後においても現在の対策はインフルエンザを含むあらゆる感染症予防の基本形となるでしょう。いま私たちが経験している全ては、より安全な未来への道のりでもあるのです。

 3月11日(木曜日)14時46分、防災無線で皆様に黙とうのご協力を呼びかけます。1分間の静寂の中で、亡くなられた全ての方々のご冥福をお祈りするとともに、10年前を振り返り、それぞれの進化を検証し、未来に思いを馳せていただければと思います。

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