No.38 次世代への大切な贈り物 【2015年8月1日号】

更新日:2022年09月29日

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 この夏、日本は終戦から70年目を迎えます。この節目に当たり本市では、戦後70年記念事業として、7月2日に、原爆の悲惨さを語り継ぐ朗読劇「夏の雲は忘れない」を習志野文ホールで実施し、市立中学校の全ての1年生が鑑賞しました。原爆で親を亡くした子ども、子どもを亡くした親の書き残した手記が有名俳優によって朗読され、家族の愛情の深さにあふれた言葉の数々が、流れる映像や効果音とあいまって心に染み渡り、ずっと胸を締め付けられる思いでした。

 私たちは日常において、日々の暮らしを当たり前に過ごしてしまいがちです。しかし、私たちの生活が、ありとあらゆるさまざまな事象の中で混然一体となって築かれたものであるということを、このような機会を通じて認識する必要があります。将来推計によると、終戦前に生まれた方は、10年後には全人口の10人に1人となるようです。戦争を直接体験していない人ばかりになっていく中で、次の世代に悲惨な戦争の記憶を継承していくこと、そして現代においてどうやって平和を持続していくのかを考えることは、昭和57年に千葉県で初めて「核兵器廃絶平和都市」を宣言した本市の使命の一つです。情報化社会・多様化社会のただ中で、私たちは常に思考を働かせ、平和な社会の実現に取り組んでいかなければなりません。

 8月は、市内各地で盆踊りをはじめとして、地域それぞれに味わいのある夏のイベントが行われます。その日が近づくにつれて心が浮き立ち、太鼓の響きやちょうちんの明かりに、誰もが何とも言えぬ高揚感に駆られます。それぞれの催事は地域の絆を深め、人々の夏の思い出の1ページとして残るだけでなく、その効果は意外なところにもおよびます。段取りや役割分担などの運営そのものが、いざというときの地域の大きな力につながっていくのです。もともと「お祭り」の起源の一つには、夏場に発生しやすい台風などの災害に対する備えの意味があるとのことで、昔の人の知恵は、時が経つ中でさまざまに形を変えても現代に息づいているのです。

 戦争の記憶も、地域の催事も、思考を加味しつつ、正確に次世代へと継いでいく。このことこそ、平和への道しるべなのかもしれません。秋には6年に一度の「三山の七年祭」をはじめとして、祭り一色となります。響きわたる祭りばやしの中で、平和の尊さをかみしめたいと思います。

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