No．21「平和への一歩」【2013年8月1日】

 昭和20年8月15日、日本は終戦を迎えました。その日から68年を経過しようとする今日では戦争を知らない人が時を追うごとに増えています。私自身もその中の一人ですが、戦争という悲惨な体験をされた皆様のお話を聞き、また、当時の記録などを見るたびに胸が締め付けられます。戦争はいまだ世界各地で絶えることはなく、人命にもかかわる紛争や事件は国内を含めて毎日のように発生しています。しかし、これらには全て原因があることにも着目しなければなりません。いくつかのささいな出来事が複雑に重なって起きてしまっていることがほとんどではないのでしょうか。平和を願うこととともに、「平和を守るために考えなければならないこと」も無限にあると思います。「核兵器廃絶平和都市宣言」を掲げる習志野市の市長として、再び同じような惨禍が起こらぬよう恒久平和をこれからも考えるとともに、訴え続けてまいります。
 近年の著しい情報通信技術の進化、インターネットなどの普及によって、私たちは多くの情報を瞬時に入手することが可能となり、また、たったひとりの人が多くの情報を簡単に、そして世界中に発信することができるようになりました。しかし、一方では、氾濫するさまざまな情報に接することで、考え方や価値観の多様化が生まれ、互いの関係性が複雑化し、小さな意見の食い違いを大きな争いに発展させる“危うさ”を招いていることも否定できません。私は、こんな時代だからこそ、人の“やさしさ”や“思いやり”で社会がつながることが重要だと思っています。
 また、8月25日には例年よりも約1カ月遅れて市民まつり「習志野きらっと2013」が開催されます。夏の風物詩となったこの祭りも今年で20回目を迎えます。祭りに参加する皆様が共に汗を流し、同じように喜び、一緒に楽しむことはお互いの理解を深めます。私は、このようなことも“平和な社会”へ続く大切な一歩ではないかと思っています。お互いを理解し、共感し、やさしさを持って接することによって、人と人であれ、国と国であれ、豊かで温かな関係性が保たれるものだと思います。さあ、今年も家族や友人と夏祭りを大いに楽しみ、やさしさあふれるたくさんの思い出をつくりましょう。