令和3年11月掲載分

更新日:2022年09月29日

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秋の習志野を学び歩く

2021年11月25日

歴史探訪の紙がクリップボードに挟まれている写真

 実花公民館主催の秋期公民館講座「地域歴史探訪 実花新田と東習志野の歴史を歩く」に参加しました。秋晴れの下、講師の解説を聞きながら、実籾本郷公園や旧鴇田家、大原神社、無量寺などを巡りました。
 講師は千葉県文書館の古文書調査員の笹川裕さんです。
 笹川さんは、長年にわたり市内中学校の社会科教員でいらっしゃいましたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

茅葺屋根の旧鴇田家住宅の写真

 訪問先の一つ、旧鴇田家住宅は、享保12年(1727年)から翌13年に建築された歴史のある建物で、平成12年に実籾本郷公園内に移築復原され、平成17年千葉県の有形文化財に指定されています。

 入口を入ると、火がくべられたかまどからすすが天井まで登っていました。このすすには防虫効果があり家を守っているそうです。天井に使われている曲がりの柱は、堅固で貴重な木材であるとのことでした。

火がくべられたかまどの写真を撮っている男性の写真
天井まで登ったすすで黒くなった天井を指差している男性の写真

 笹川さんによると、かつて習志野市史編纂(さん)委員を務めていた際に、当時の鴇田家当主も知らない古文書の大発見があったそうです。古文書を整理していたところ、「大工手間日記」が発見されました。その後、床の間の天井裏から「大工出面書留(でづらかきとめ)板」(大工の出勤簿)が、ふすまの取っ手から「襖引手(ふすまひきて)裏板」が見つかりました。この発見をきっかけに、旧鴇田家の建築時期を特定できたそうです。
 笹川さんが語るこの歴史秘話に、参加者から歓声があがりました。貴重な古文書らは建物とともに有形文化財に指定されています。

瓦屋根で道路に面した長屋門の写真

 また、東金道路沿いにある「長屋門」の由来など、普段聞くことのできないお話をたくさん教えてくださいました。

 最後に笹川さんに古文書の魅力を聞いてみました。

 笹川さんは、「古文書によって歴史のまだ知られていないところがわかります。新しい発見で歴史は変わっていくのが面白いです」。そして、「歴史を知ると、今の暮らしとつながっていることがよくわかります。歴史に関心を持つ人が増えてくれると嬉しいですね」と語ってくださいました。

 ひと味違うプロの解説によって、それぞれの場所の歴史を身近に感じることができました。自然の中を歩き、気分も晴れ晴れ、楽しい学びのひとときとなりました。皆さんも公民館講座に参加してみてはいかがでしょうか。

写真・取材

広報まちかど特派員 三橋 美智子さん

写真で綴る「習志野の四季折々」“秋をお出迎え”の章

2021年11月18日

“コロナ禍・巣籠り”にほとほと「飽き」が来た頃・・本当の「秋」が来た!

畦道に咲いている真っ赤な彼岸花の写真

畦道に揺れる彼岸花

 田圃(たんぼ)の畦道(あぜみち)で深紅の彼岸花が風に揺れる「秋分の日」辺りから今年もまたカメラ片手に始めた、晩夏から初秋への“習志野の自然・撮影&観察”のフォトレポート。

黄色い葉っぱの上に止まっているトンボの写真

葉っぱでひと休み

公園の木々が赤く紅葉している写真

秋景色の中央公園

下から見上げるように写した、木々のすき間から射した太陽の光が木の葉を黄色く照らしている写真

谷津公園の紅葉

木々の葉が少しずつ黄色や、オレンジ色に色付いている写真

ほたる野もほんのり秋模様

 昨今、全世界“百家争鳴(ひゃっかそうめい)”!地球の自然体系に脅威をもたらす「温暖化」の影響か?日本古来「四季折々の風情」も心なしか色褪せる中、習志野に“どっこい!生きる”植生(しょくせい)が醸し出す「初秋の風情」は、コロナ禍で荒んだ日常を癒す“心のワクチン”であった。

コスモスに飛来した紋白蝶の写真
ピンク色のコスモスにとまっている紋白蝶の写真

コスモスに飛来した紋白蝶

陽の光で富士山が薄いオレンジ色に染まっている写真

冠雪富士も紅葉?

真っ赤な山茶花の花をアップで写した写真

香澄公園では晩夏の山茶花

 とは言え約2か月間、実籾〜大久保〜香澄〜谷津〜鷺沼を巡る散歩途中に目撃した情景の中には「春の紋白蝶(もんしろちょう)が秋にコスモスで乱舞」「前代未聞!初冠雪が2回発表された富士山?」やら「晩夏に山茶花(さざんか)が狂い咲き!」等々…確かに、何やら不気味な“自然の異変”を想わせる現象?の連発。

 人間は「自然に対する畏怖の念」を忘れてはならない…とつくづく思った。

木に沢山の柿が実っている写真

天高く柿たわわ

両羽を広げて水面から飛び立った瞬間の野鳥の写真

谷津干潟・野鳥秋景

青い空に浮かぶ、細くて白い4本の雲の写真

空に「秋刀魚?」遊泳

花びら全体は白く、端が赤くなっているバラと、バラの前に写りこんだ赤い葉っぱの写真

谷津バラ園・秋バラと紅葉共演

地面に落ちている赤や黄色の落ち葉の写真

中央公園・初秋景

あちこちに張り巡らされた蜘蛛の巣の写真

“芸術の秋”蜘蛛の巣アート

赤やピンク色をしたコスモスの写真

コスモス街道?

落ち葉の横にいるアキアカネの写真

香澄公園・アキアカネ

1枚の黄色い葉っぱの間に見える太陽の光の写真

香澄公園・秋陽キラリ!

 散歩の道すがら、見上げた空で疾風(はやて)が「冬へのプレリユード(序章曲)」を奏でていた。

記事・取材

広報まちかど特派員 坂田 薫さん

100年の時空を超えた音楽の交流〜「ベートーヴェン/交響曲第九番」日本初演の地から、ようこそ習志野へ!〜

2021年11月12日

第一次大戦中のオーケストラが結ぶ交流の絆

チェロやバイオリンを演奏している津田沼高校のオーケストラ部の写真

 県立津田沼高等学校オーケストラ部は、かねてより顧問の山岡健先生の指導の下、「閉じておくれ 僕の眼(まなこ)を」を練習していました。この曲は、習志野捕虜オーケストラ指揮者であるハンス・ミリエス(ヴァイオリニスト)が作曲したものです。第一次世界大戦中、東習志野には「習志野俘虜収容所」があり、ドイツ人捕虜たちによって収容所内にオーケストラが結成されていました。

 山岡先生の元に、徳島市の県立城東高等学校が千葉県文化会館で開催される「日本学校合奏コンクール」に出場するという情報が寄せられました。徳島県鳴門市には、ドイツ兵捕虜オーケストラにより「アジアで初めてベートーヴェンの第九を全楽章演奏した場所」として知られる板東俘虜収容所があります。そこで、大会出場前の練習場所として津田沼高校を提供するとともに、生徒同士が交流する場を設けようという話が決まりました。

両校による「閉じておくれ 僕の眼(まなこ)を」合奏

 11月6日(土曜日)、津田沼高校の体育館で生徒たちは演奏ポジションを取りながら、城東高校の到着を待っていました。午前11時半、45名の生徒を乗せたバスで到着し、無事に対面を果たしました。
 両校の先生と部長からのあいさつの後、歓迎演奏として津田沼高校が「閉じておくれ 僕の眼を」を演奏、城東高校はドイツ語と日本語の歌詞で合唱し、演奏会場には両校のハーモニーが美しく響きました。

オーケストラ部の前で両手を組んで立ち挨拶をしている山岡先生の写真

山岡先生の歓迎のあいさつ

津田沼高等学校オーケストラ部が演奏をし、城東高校の生徒たちが楽譜を持ち歌を歌っている様子の写真

両校による演奏

 コンクール会場へ出発するまでの間、生徒たちは特産品のお土産を交換しあうなど交流をしました。そして、山岡先生たちから指導を受け練習に励んだ後、皆と別れ、大会に向け出発しました。結果、城東高校はみごと全国大会の銀賞を受賞しました。

「閉じておくれ 僕の眼を」について

 ハンス・ミリエスが第一次世界大戦中の1917年8月に作曲したこの曲の楽譜は長らく所在不明でしたが、2000年頃、遺族により遺品の中から発見されました。作詞をしたテオドール・シュトルムは、詩人、小説家、法律家として著名で、ドイツ文学における詩的リアリズムを代表する作家の一人と言われています。

「閉じておくれ 僕の眼を」

閉じておくれ 僕の眼を

君の愛らしい手で

僕の悩みはすべて

眠りにつくだろう

悲しみがそっと波をうって

眠りにつく時

その波の最後のひと寄せが

打ち寄せる時

君は僕の心を満たすのだ
(デオドール・シュトルム詩 / 小畠 泰 訳詩

最後に

古(いにしえ)の習志野の地で生活していたドイツ人捕虜によって生まれたこの曲が、両校の生徒たちの交流の中で合奏されたのは素晴らしいことです。その音色には深く心にしみる荘厳な響きがあり、習志野の大切な宝物として今後も演奏され続けることでしょう。
 また今回の交流は、生徒たちにとって青春時代の思い出として末永く心に残ることでしょう。

写真・取材

広報まちかど特派員 佐藤 清志さん

習志野第九合唱団が練習を開始しました

2021年11月2日

音楽のまち、習志野市が誇る「習志野第九合唱団」は、圧倒的なパワーで美しいハーモニーを奏でる合唱団です。例年年末には、習志野文化ホールで演奏会が開催され、詰めかけた観客に感動を与えています。
 レベルの高さは、例年8月下旬の結団式を皮切りに、300名を超える団員が集まり、年末の演奏会まで毎週日曜日3時間もの練習を重ねた結果で、優れた合唱指導者と団員お一人おひとりの努力により培われてきたものです。

第42回演奏会のポスター

前回 第42回演奏会

2019年12月22日開催の第42回習志野第九演奏会の感動が冷めやらぬ翌3月、新型コロナウイルスの感染が徐々に広がり、その後の感染拡大に至りました。これに伴い、2020年の演奏会は中止となりました。初演の1978年(昭和53年)から、42年間続けて来た演奏会でしたが、やむを得ない状況でした。

 今年(2021年)は、結団式の中止や練習日程の変更を余儀なくされましたが、十分な感染防止の体制を整え、緊急事態宣言が解除となった10月から、例年の1カ月遅れで菊田公民館にて練習が開始されました。
 練習にあたり、一昨年まで練習会場として利用していた旧消防庁舎(講堂)が取り壊されたこと、コロナ対策で公民館の人数制限もあり、全団員が一同で練習できる場所の確保が難しくなりました。その対策として、パート別(ソプラノ・アルト・テノール・バス)の少人数での練習を行っています。

等間隔に置かれた椅子の前に立ち練習をしている合唱団の方たちの写真

パート別練習の様子

前方にいる指揮者を見て合唱団のメンバーが練習をしている写真

パート別練習の様子

 さらに、会場である習志野文化ホールのコロナ対策として舞台定員がオーケストラを含め131名(募集時)と制限があるため、今年は募集人数を大幅に削減し、例年の約3分の1の約100名での演奏会となります。
 人数が減ったとはいえ、団員はベテラン揃いで、少数精鋭で取り組まれるとのことです。
 演奏会の運営スタッフの方々は、演奏会の火を絶やしてはならない!とする気構えで、密にならない工夫や、飛沫を防止するために合唱用のマスクの配布、練習会場へ入室の際の手指の消毒と、検温の実施を行う感染防止体制を整えていました。

指揮台に立ち、コーラスマスクの装着の説明をしている男性の写真

コーラスマスクの装着の説明

長机の上に並べて置かれた検温機、消毒液、会員証の写真

受付(検温・消毒・会員証)

 今後も予断を許さない状況ではありますが、土居団長から「困難な状況でも精一杯の練習を行い、人数は少なくとも、さすが習志野第九合唱団!と観客の皆さまに思っていただけるよう、また、感動的な演奏ができるよう頑張って練習してまいりましょう!」と力強いお言葉がありました。
 コロナ禍であっても歌い続けて来られた第九演奏会が成功裏に収められることを祈念いたします。また、コロナが収束した後、これまでと同じ300人規模の人数で気軽に練習ができる日が来ることを願うばかりです。
 「音楽のまち」であり続けるためにも…。

演奏会の予定

第43回習志野第九演奏会

  • 日時:2021年(令和3年)12月26日(日曜日) 14時開演
  • 場所:習志野文化ホール
  • 曲目:
    • 【第一部】ベートーヴェン作曲 フィデリオ序曲
    • 【第二部】ベートーヴェン作曲 交響曲第9番ニ短調「合唱付」作品125
  • 出演者
    •  指揮 岩村 力
    •  ソプラノ 別府 美沙子
    •  メゾソプラノ 小林 沙季子
    •  テノール 澤崎 一了
    •  バリトン 原田 圭
    •  合唱 習志野第九合唱団
    •  管弦楽 千葉交響楽団

記事・写真

広報まちかど特派員 酒井 正廣さん

この記事に関するお問い合わせ先

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