加熱式たばこや電子たばこと健康

更新日:2022年09月29日

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そもそも「たばこ」って?

一般に“紙巻たばこ”を指すことが多い「たばこ」という言葉ですが、たばこ事業法第2条では次のように定義されています。

  1.  たばこ タバコ属の植物をいう。
  2.  葉たばこ たばこの葉をいう。
  3.  製造たばこ 葉たばこを原料の全部又は一部とし、喫煙用、かみ用又はかぎ用に供し得る状態に製造されたものをいう。

たばこ製品(製造たばこ)には、紙巻たばこのほか、葉巻たばこ(葉巻)、噛みたばこ、嗅ぎたばこ、刻みたばこなどがあります。
ちなみに、パイプや煙管(キセル)、水たばこなどは、刻みたばこを使用する喫煙具です。

また、同法第38条では、次のように定められています。

製造たばこ代用品は、これを製造たばことみなしてこの法律の規定を適用する。

  1.  前項に規定する製造たばこ代用品とは、製造たばこ以外の物であつて、喫煙用に供されるもの(中略)をいう。

急速に広がる“新型たばこ”

近年、加熱式たばこや電子たばこといった、“新型たばこ”が急速に広がっています。
これらの中には葉たばこを原料としていない“たばこ類似製品”もあります。

加熱式たばこ・電子たばこは、タバコ葉や液体をバッテリーで加熱してエアロゾル(霧状)化させ、それを吸入するための、(紙巻たばこ型の)装置です。
このうち、葉たばこを原料としていない液体を使用しているものは、たばこ事業法で定める「たばこ製品」ではなく、たばこ類似製品と言えます。
これらの新型たばこは、従来のたばこ製品のような、目に見える副流煙が発生せず、臭いもあまりしないことから、若い人たちを中心に広がってきています。

また、副流煙が発生しないたばこには、「無煙たばこ」と呼ばれるものもあります。
無煙たばこは、その名のとおり、喫煙の際に煙が出ないたばこです。
噛みたばこや嗅ぎたばこといった種類のものが該当します。
煙が出ないため、他の人に迷惑をかけることなく喫煙できると、一時期普及の動きがありました。

加熱式たばこ・電子たばこは“健康的”か?

加熱式たばこheat-not-burn tobacco)は、タバコ葉カートリッジを電気で加熱し、発生した蒸気を吸引する「たばこ」です。
上述したたばこ事業法上も、「製造たばこ」に該当します。
商品パッケージにも「本製品はたばこ製品です」などと明記され、また健康被害が生じる恐れを知らせる注意表示(警告表示)の掲載も義務付けられています。

例えば、iQOSのパンフレットにはiQOSにリスクがないというわけではありません」「たばこ関連の健康リスクを軽減させる一番の方法は、紙巻たばこもiQOSも両方やめることですとの記載があります。
JTがPloom TECHについて説明した資料にも、全編にわたって本資料は、プルーム・テックの使用に伴う健康上のリスクが他のたばこ製品と比べて小さいことを説明するものではありませんと記載されています。

代表的な加熱式たばこ(注釈)

  • iQOS(アイコス)…フィリップモリス(PMI/PMJ)
  • Ploom TECH(プルームテック)…日本たばこ産業(JT)
  • glo(グロー)…ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)

(注釈)加熱式たばこにも「高温加熱式」と「低温加熱式」があり、iQOSとgloは前者、Ploom TECHは後者にあたる。

一方、電子たばこe-cigarette)には、ニコチン入り溶液(リキッド)を加熱吸入するタイプの「ニコチン供給電子たばこ」(ENDS:Electronic Nicotine Delivery Systems)と、ニコチン無し溶液を加熱吸入するタイプの「ニコチン供給電子たばこ」(ENNDS:Electronic Non-Nicotine Delivery Systems)があります。
日本国内では、医薬品医療機器等法(薬機法。旧薬事法)により、ニコチンを含むリキッドには承認が必要ですが、現在のところ承認された製品はありません
しかしながら、市場に出回っている製品の多くにニコチンが含まれていることが明らかになっています。

このような「未承認無許可医薬品」の販売は違法であり、また同法に基づく品質・有効性・安全性の確認がなされていないため、非常に危険です。

健康への影響

加熱式たばこや電子たばこによるリスクや影響については、まだデータが不十分であり、結論は出ていないとされているものの、以下のような問題点が挙げられます。

喫煙による健康上の問題点

タバコ葉カートリッジやニコチン入り溶液を加熱吸引するタイプのものは、当然にニコチンを含んでおり、また、上述したように、国内で流通するENNDS(ニコチン無しタイプ)からもニコチンが検出されています。(=依存性がある)

加熱式たばこでは、「臭いがしない」「有害物質を大幅カット」などと宣伝がされていますが、実際には、決して無臭ではなく特有の臭いが発生します。
有害物質についても紙巻たばこと比べて、一部の有害物質が、ある程度少ない程度であるというのが実態であるという研究結果が出ています。
フィリップモリス社の地元、アメリカにおいても、同社の加熱式たばこ「iQOS」は、「リスク低減製品」としての認可が得られていないというのが現状です。WHOは、「加熱式たばこを含む、たばこ使用のすべての形態は有害である。」とし、「たばこは、本質的に毒性を有し、天然の形態でも発がん性物質を含む。したがって、加熱式たばこは、FCTC(たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約)に基づき、他のすべてのたばこ製品に適用される政策および規制措置の対象となるべきである。」としています。

また、電子たばこのエアロゾル(ヴェイプ、ヴェイパー)には、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒド、アセトンなどといったカルボニル類をはじめとして、毒性の高い物質が多く含まれていると報告されています。
さらに、米国食品医薬品局(FDA)は、たばこ特有の成分以外にも有害物質が含まれていることを指摘しています。

受動喫煙による健康上の問題点

加熱式たばこや電子たばこを使用した喫煙では、紙巻たばこのような、目に見える副流煙・呼出煙は見られません。
しかし、前述のとおり、喫煙者が吸入するエアロゾルには人体に有害な物質が多く含まれています。

また、口腔及び鼻腔から終末細気管支までは「解剖学的死腔(かいぼうがくてきしくう)」と呼ばれ、空気は通過するものの、ガス交換をしません。
つまり、この部位に溜まったエアロゾルは、喫煙者の体内に吸収・吸着されることなく、そのまま外に吐き出されることになります。(吸った空気の30%程度)

よって、加熱式たばこや電子たばこであっても、周囲の人が受動喫煙の被害に遭うことは避けられません
心理的に屋内での喫煙がしやすく、煙が視認できない点においては、従来のたばこ製品以上に、受動喫煙の恐れが高まるとも言えるでしょう。

なお、WHOは、2014年の報告書において、公共施設内における電子たばこの使用を禁止するよう勧告しています。

その他の問題点

ENDSのニコチン入り溶液は、ニコチン濃度が非常に高いため、誤飲はにつながります。
乳幼児が周囲にいる場合に限らず、取扱いには十分注意が必要です。

無煙たばこは?

スヌースを含む無煙たばこは、国際がん研究機関(IARC)の発がん性分類において、「グループ1:ヒトに発がん性があるものとされています。
「たばこ特異的ニトロサミン」などの多くの発がん性物質が含まれているため、使用により口腔がんなどの原因となるほか、歯周疾患を引き起こし、循環器疾患のリスクも高める恐れがあります。
また、紙巻きたばこの安全な代替品とはならないことが、指摘されています。

また、電子たばこのカートリッジ等と同様に、誤飲の恐れがあるため、取扱いには注意が必要です。

参考資料

この記事に関するお問い合わせ先

このページは健康支援課が担当しています。
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電話:047-453-9302 ファックス:047-454-2030
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