令和6年度市政運営方針

更新日:2024年02月15日

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 令和6年習志野市議会第1回定例会が、2月15日に招集されました。
 市議会初日に宮本 泰介市長が述べた市政運営方針全文を掲載します。

令和6年習志野市議会第1回定例会の開会にあたって

令和6年習志野市議会第1回定例会の開会にあたり、新年度に臨む私の所信の一端を申し述べ、議員各位の御賛同と併せて、市民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

はじめに

1月1日の能登半島地震により亡くなられた方へ哀悼の誠を捧げるとともに、被災された方々をはじめ関係する皆様に心からお見舞い申し上げます。

今後も被災地の復旧復興を祈念し応援してまいります。

昨年5月、新型コロナウイルス感染症の法律上の位置づけが移行されて以来、さまざまな活動が再開されました。しかし現在、我が国では人口減少・少子高齢化社会の進展に伴う経済環境や医療福祉などへの影響が、年を追うごとに大きくなっています。

社会全体の活力低下が懸念され続ける中、本市においても持続可能な発展を遂げていくために、未来を担う子どもや子育て世帯を社会全体で支え、将来に明るい希望を持ち、誰もが住みたい、住み続けたいまちとしてさらなる充実を図る必要があります。

令和6年度は、昭和29年8月1日に市制を施行して以来70年という節目の年であります。「演奏(かなで)よう未来へ70th」を合言葉に、豊かさを将来へ、持続可能な形で引き継ぐまちづくりに、決意を新たにしっかり取り組んでまいります。

国の予算と地方財政対策、本市の財政概況

1月の内閣府による月例経済報告においては、「景気はこのところ、一部に足踏みもみられるが緩やかに回復している。先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、世界的な金融引き締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある。さらに、令和6年能登半島地震の経済に与える影響に十分留意する必要がある。」とされています。

国の令和6年度当初予算案は、「歴史的な転換点の中、時代の変化に応じた先送りできない課題に挑戦し、変化の流れを掴み取る予算」として編成されており、前年度対比1.6%減の112兆5千717億円となっております。

また、地方財政計画においては、総額を前年度対比1.7%増の93兆6千400億円、一般財源総額を前年度対比1.0%増の65兆6千980億円としております。

国では社会保障関係費や人件費の増加が見込まれる中、地方公共団体が住民のニーズに的確に応えつつ、様々な行政課題に対応しながら行政サービスを安定的に提供できるよう、地方交付税等の一般財源総額について、前年度を上回る水準を確保しております。

一方、本市の財政概況では、歳入面では、一般財源が増加しているものの、歳出面において社会保障関係経費、人件費、物件費などの経常的経費が増加しており、財政構造の硬直化が今もなお続いています。

令和6年度の予算概要

本市の令和6年度の当初予算編成に際しましては、市制施行70周年を迎える節目の年であることや、現基本構想の最終四半期、仕上げの3年間であることを念頭に、市民生活や経済活動がコロナ禍を脱し正常化する中で、将来を見据えた市民意識の高揚を図るとともに、SDGsの17の目標達成に向けた行政活動を展開するための予算配分を行いました。特に、安全で快適な環境を維持するため学校施設、子育て支援施設等の公共建築物の再生を着実に進めることなどを含めた結果、年度当初の一般会計予算規模は本市史上最大の780億7千万円となり、前年度対比で10.6%、75億円の増加となりました。

概要といたしましては、歳入面では、自主財源の根幹である市税収入において、地方特例交付金で補填はされるものの、国の定額減税の実施により、令和5年度当初予算を1億円下回る299億7千万円を計上しております。なお、地方交付税につきましては、普通交付税において、1億円の増加を見込んでおります。

また、必要な財源を確保するため財政調整基金からは前年度比較で8億円増の33億円、公共施設等再生整備基金からは11億2千万円増の24億5千万円の繰り入れを計上しております。その他、後期基本計画及び後期第2次実施計画の着実な展開を目指して、国の交付金等、可能な限り財源確保を図りました。

一方、歳出においては、増加を続けている扶助費は、13億5千万円増の181億8千万円、人件費は、給与改定等により7億1千万円増加し137億6千万円を計上しております。また、普通建設事業では、第二中学校の改築やその他学校施設の長寿命化改修、芝園清掃工場延命化対策などで大きく増加し、43億8千万円増の163億2千万円を計上いたしました。

令和6年度の重点事項

国の補正予算を活用し、財源確保を図った3月補正予算案への前倒し計上分も含め、新年度に取り組む重点事項5点について、御説明申し上げます。

第1は、子どもが健やかに育つ環境の整備を推進することです。

主な施策といたしまして、「習志野市子ども・子育て支援事業計画」の次期計画として、さらに総合的・一体的にこども施策を取りまとめた「(仮称)習志野市こども計画」を策定します。

新たに子ども家庭総合支援拠点と子育て世代包括支援センターの両機能を持つ、こども家庭センターを設置、運営し、一体的な支援を提供します。

こどもの貧困対策として、経済的課題を抱える世帯に対し、こどもの大学等の受験料等の一部を補助します。

放課後児童会の待機児童を発生させないために、大久保第三児童会及び第四児童会を開設します。

令和7年度の開設を目指す(仮称)藤崎こども園の整備に取り組みます。

令和7年度に予定している藤崎保育所の私立化に向け、移管先法人の行う施設整備費の補助を行うとともに、円滑な移行を進めるため、私立化ガイドラインに基づく共同保育を実施します。また、移管先法人、保護者と三者協議会を組織して、合意形成を図ります。

市立幼稚園、保育所、こども園等において、新たに児童の登降園システムを導入し、安全管理の充実を図ります。

引き続き、私立施設へ保育士の処遇改善及び保育士宿舎の借上に対する補助を行い、保育環境の改善、保育士の確保・定着と保育の質の向上を支援します。

子育て支援の多様なニーズに対応するため、休日保育事業、一時保育事業、幼稚園・こども園における預かり保育事業、ファミリー・サポート・センター事業、子育て短期支援事業、病児・病後児保育事業、こどもセンター等での利用者支援事業についても引き続き実施します。

第2は、未来をひらく高水準な教育と生涯にわたる学びを推進することです。

主な施策といたしまして、信頼を築く習志野教育の進展として、いじめ・不登校の未然防止、解消に向け、来所相談、訪問相談等のさらなる充実と学校との連携を図ります。また、匿名メール相談WEBアプリへの迅速な対応を行い、悩みや不安を抱える児童生徒にとって安心できる窓口となることを目指します。さらには、学びの多様化学校(不登校特例校)の設置に向けて検討委員会を設け、協議を進めます。

特別支援教育の一層の充実に向け、引き続き、理解啓発と人材育成のため、研修の充実を図ります。

休日の部活動において、運動部活動に続き、文化部活動の地域移行について検証し、推進を図ります。

魅力ある市立高校づくりとして、デジタル採点システムを導入するほか、令和6年度新入生に対し、授業で使用するタブレット端末の購入費用の補助を行います。

安全で潤いのある学校環境の整備として、大久保小学校、第二中学校の改築工事、大久保東小学校、鷺沼小学校の改築設計を実施するとともに、向山小学校、屋敷小学校、第一中学校の長寿命化改修工事を実施します。

特別教室へエアコンを移設するとともに、市立小・中・高等学校の体育館及び袖ケ浦体育館に空調機を設置するための設計を実施します。

教育行政の効率的・効果的な展開として、学習教材費等の保護者負担について、共用が可能なものを公費で購入することで、保護者の経済的負担の軽減に努めます。

4月1日に新たな公益財団法人としてスタートする予定である習志野市文化スポーツ振興財団をはじめとした関係団体と相互に連携・補完しあいながら、市民の文化芸術の推進とスポーツの振興を図ります。

現状の習志野市史における追加すべき史実や見直し等を行い、市史編さん委員会の意見を伺いながら、「習志野―その今と昔」の“令和版”の編さんに着手します。

就学児童を対象に、放課後等の安全安心な子どもの居場所である「放課後子供教室」を新たに鷺沼小学校に開設します。

第3は、誰もが健康を維持できる保健・医療・福祉を充実することです。

主な施策といたしまして、地域共生社会の実現に向けた取り組みとして、複雑化・複合化した問題を受け止める包括的な支援体制の継続的な検討を進めます。

終活支援を協定事業者・関係機関と連携して実施し、自身の死後の葬儀等に対する不安の解消に努めます。

安心して妊娠・出産・子育てを行うための、切れ目ない支援体制の充実として、産後ケア事業の拡充を図ります。

妊産婦の健康状態、乳幼児の発育・発達・養育環境等に課題のある親子に対する予防支援を行います。

特定健康診査の集団健診当日に特定保健指導の初回面接を同時に実施し、早期介入を図ることや、ICT技術の活用により、対象者の利便性及び実施率の向上を目指します。

引き続きHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの接種率向上に向けて、接種対象者への周知・勧奨を行います。

第4は、暮らしを支える都市基盤の整備を推進することです。

主な施策といたしまして、将来を見据えた、都市空間の整備の促進を図るとともに、千葉県が定める都市計画区域の整備、開発及び保全の方針の変更に向けた原案の作成に取り組みます。

津田沼駅南口地区については、市街地再開発事業の事業認可に向けて、施行予定者との協議を深めてまいります。

老朽化したJR津田沼駅北口自転車等駐車場の建て替えに向け、解体工事等を実施するとともに、京成津田沼駅南口自転車等駐車場の階段改修工事を実施します。

鷺沼地区の土地区画整理事業については、鷺沼土地区画整理組合に対し、補助金の交付等を行います。

都市計画道路整備について着実に推進し、市内道路ネットワークの拡充を図ります。
JR津田沼駅・新京成新津田沼駅周辺地区のバリアフリー対策工事として、JR津田沼駅北口駅前広場へのエレベーター整備に向けた基本設計を実施します。

第5は、公共施設等総合管理計画に基づく取組を推進することです。

主な施策といたしまして、学校、こども園等に関する普通建設事業のほか、各施設の長寿命化計画等に基づき、都市インフラ・プラント系施設、市営住宅及び公園遊具の着実な改修を実施します。

橋りょう長寿命化修繕計画に基づき、鷺沼東跨線橋補修工事を鉄道管理者へ委託し実施します。

歩道橋長寿命化修繕計画に基づき、JR津田沼駅北口ペデストリアンデッキ補修工事を実施します。

稼働中の清掃工場の延命化対策として、長寿命化計画に基づいた整備を実施するとともに清掃工場の更新に向けた各種検討事業を適切に推進します。

老朽化、耐震性能に課題がある中央消防署秋津出張所の建て替えに伴う基本計画の策定等を行います。


以上、重点事項5点に掲げた事業のほか、市制施行70周年事業として記念式典を行うなど関連事業を実施いたします。

また、旧庁舎跡地の有効活用や習志野文化ホールの再建設に向けた検討を進めてまいります。

この他、引き続き職員の長時間労働抑制対策やハラスメント防止対策に重点を置く等、働き方改革を推進します。

むすびに

令和6年度に取り組むすべての事業は、現基本構想の将来都市像「未来のために~みんながやさしさでつながるまち~習志野」を実現するための3つの目標である、『支えあい・活気あふれる「健康なまち」』『安全・安心「快適なまち」』『育み・学び・認め合う「心豊かなまち」』を具現化するものであり、本市のまちづくりの基盤をより強靭なものとするものであります。

また、構想が終盤を迎えた現在においてもますます多様化していく市民ニーズに的確に対応すること、および、将来の人口減少を見据えた持続可能で確実な行財政運営を果たすための「第二次経営改革大綱」を、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進による業務改革と併せて徹底して取り組んでまいります。

さらに、次期基本構想・基本計画の策定にも着手いたします。

このような意志のもと、新年度の予算は、
『習志野市70年の歴史と、近い未来をセットアップする「未来を紡ぐ予算」』
として編成しました。

今後も、文教住宅都市憲章により育まれてきた習志野市を、市民の皆様との「共感」「信頼」のもと、明るい「希望」を描きながら確実にステップアップさせていくことを誓い、令和6年度の市政運営方針といたします。

引き続き、議員各位、市民の皆様はじめ全ての関係者の御理解と御協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

この記事に関するお問い合わせ先

このページは財政課が担当しています。
所在地:〒275-0016 千葉県習志野市鷺沼2丁目1番1号 市庁舎3階
電話:047-453-9224 ファックス:047-453-9313
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