谷津貝塚出土瓦塔(習志野市指定文化財)

更新日:2022年09月29日

ページID : 4802

 谷津貝塚は習志野市の北西部、現在の奏の杜地区付近に位置し、菊田川低地と海老川低地とに挟まれた台地上に立地します。旧石器時代・古墳時代・奈良時代・平安時代・中世・近世にわたる複合遺跡で、中心は奈良時代・平安時代の大規模集落です。この集落は7世紀末に開発され、9世紀前半に最盛期を迎え、10世紀前半まで継続しました。下総国府(現市川市)と上総国府(現市原市)を結ぶ古代東海道沿いの拠点(きょてん)的集落の一つであり、現在までに竪穴住居跡450軒以上、掘立柱(ほったてばしら)建物跡240棟以上が発見されています。この中には9世紀前半の大型掘立柱建物跡群、墨書土器・打ち欠き土器など大量の供膳具(きょうぜんぐ)土器類が投棄された鍛冶工房が含まれます。
 瓦塔(がとう)とは、須恵質・土師質のやきもので作られたミニチュアの仏塔(ぶっとう)です(仏堂(ぶつどう)を模した瓦堂(がどう)も含む)。建物の中などに安置され、礼拝の対象とされていたではないかと言われています。谷津貝塚ではいずれも破片で屋蓋(やがい)部(屋根瓦の部分)5点、初軸(しょじく)部(1階の壁の部分)1点が出土しました。全体の形を復元することはできませんが、2〜4個体と推定されます。
 これらは、古代において仏教信仰が習志野市域に浸透していたことを明確に示す資料として極めて重要です。

段々形の屋蓋部写真

1 屋蓋部

断面図のような茶色屋蓋部の写真

2 屋蓋部

緑色の部分が手の指のような形をしている屋蓋部の写真

3 屋蓋部

緑色の屋蓋部の写真

4 屋蓋部

一部が欠けている山野ような形をした屋蓋部の写真

5 屋蓋部

先が尖った土器に数字などが書かれている谷津貝塚出土瓦塔 初軸部土器の写真

6 初軸部

総合教育センターで展示しています

市指定文化財「谷津貝塚出土瓦塔」と「谷津貝塚出土墨書土器」、「実籾3丁目遺跡出土土器」を、習志野市総合教育センター1階ロビーで展示しています。

習志野市総合教育センター
千葉県習志野市東習志野3丁目4番4号
平日 午前8時30分から午後5時

名称

谷津貝塚出土瓦塔

員数

6点

種別

有形文化財(考古資料)

時代

奈良時代・平安時代

実測図・寸法等

この記事に関するお問い合わせ先

このページは社会教育課が担当しています。
所在地:〒275-8601 千葉県習志野市鷺沼2丁目1番1号 市庁舎2階
電話:047-453-9382 ファックス:047-453-9384
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