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概要

NARASHI-NOTE

BOOK GUIDE悪いうさぎ/若竹七海/文春文庫すごいミステリはお好きですか?主人公は興信所に勤める女探偵。天才ではない。美人でもない。でも、「私の仕事に抜かりはない」。次々に襲いかかる災難。複雑に絡み合った謎。それを的確にさばきながら、タフに挑んでいく。葉村晶シリーズには外れはひとつもないですが、手に汗握るのはコレ。「ああ、仕事ができる人って、こういう風に考えるんだ~」とミステリらしくない感想も抱かせる。苦難に立ち向かう智慧と勇気!ダンジョン飯/九井諒子/ビームコミックスロールプレイングゲームがグルメ漫画に??王道のダンジョンものの世界観なれど、特徴的なのは、倒したモンスターをいかに美味しく召し上がるかということ。冒険するにもお金はかかる。食費節約のためにはじめた料理だけれど、魔窟の住人たちにも独自の世界と生態系があるという真理。ギャグ満載ですが、意味するところは深いものがあります。絵柄、キャラ、ストーリー、どれをとってもA級グルメの味わい。父の詫び状/向田邦子/文春文庫最高のエッセイってなんだろう。日本の最高シナリオライターの一人であり、直木賞受賞作家としても著名な向田邦子。その代表作が本作。文章のひとつひとつがキラキラ輝きを放つ。知的なユーモアと鋭い感性。無駄なく引き締まった文章は、短いながら読後にずしりとくる。あまり本を読まない人も日本語の可能性を信じることができる、珠玉の一冊。夏期限定トロピカルパフェ事件/米澤穂信/創元推理文庫アニメ化された「氷菓」シリーズもほろ苦いビターな青春ミステリですが、こちらも一見爽やかなようで、すこぶる毒を含んだストーリー。まわりとの軋轢をさけるために、才能を隠し小市民として生きることを目指す二人が事件に巻き込まれていく。とても甘~いタイトルですが、謎解きのロジックは本格派。前篇「いちごタルト」、続編「栗きんとん」と合わせて米澤ワールドを堪能できます。装画:片山若子装幀:岩郷重力+WONDERWORKZ。31