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習志野市 未来のために〜みんながやさしさでつながるまち〜習志野
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決して諦めてはいけないこと、そして忘れてはならないこと 【4月1日更新】

更新日:2017年4月3日

諦めてはいけないこと

 今日から4月、新年度のスタートです。とはいえ、まだまだ三寒四温、今年は桜の蕾がなかなか開き切りません。
 そんな余寒が厳しい中、先月26日に千秋楽を迎えた大相撲春場所は、新横綱稀勢の里の逆転優勝に日本中が沸きかえりました。横綱は13日目の取組で左肩を負傷し、強行出場した14日目の取組では土俵上で全く力を出すことができなかったことから、千秋楽で本割と優勝決定戦を連勝して逆転優勝することは、絶望的とみられていました。
 実は、初日から14日目まで新横綱の活躍をずっと応援し続けてきた私自身が完全に諦めていて、千秋楽は相撲中継を見なかったのです。阪神タイガースが7回裏を終わって8点差で負けているのと同じようなもので、もうテレビなんか見ていられるか、という心境でした。しかし横綱は、そんな薄情なファンをよそに、諦めるなどという気持ちはみじんもなく、前だけを向いて土俵に臨み、そして最後には見事に優勝を勝ち取ったのでした。
 私はどのような絶望的な状況にあろうとも、最後まで全力を尽くそうとする横綱を応援しきれなかった自分を恥じ入るとともに、強い気持ちが活路を見出すということを改めて思い知らされました。

 時を同じくして、本市において、知的障がいを持つ人がその人らしく暮らしていくことができる地域づくりを精力的に進めてこられた「特定非営利活動法人 習志野市手をつなぐ育成会」の理事長が亡くなられました。前職(保健福祉部長)在職中は、本市の障がい福祉施策の進め方に対し、貴重なアドバイスをしてくださったり、時には厳しい叱咤をいただいたりしながら、特に近年においては、年々齢を重ねる親亡き後に残された障がいのある子が地域で安心して暮らしていけるためにはどうしたらよいのか、ということについて、何度も意見交換を重ねてきました。

 理事長は病の宣告を受け、緩和ケアか放射線治療かの選択を迫られた際、放射線治療を選んで病に立ち向かう決意をしたとのことでした。重い障がいのある人達の暮らしを地域で支える仕組みはまだ道半ばであり、厳しい状況にあっても決して諦めることなく、少しでも歩を前に進めたいとの強い気持ちを持たれていたのでしょう。実際に理事長は入院しっぱなしではなく、治療が一段落した後は自宅に戻り、会のイベントに参加したり、会報原稿の作成をしたりして、理事長としての活動を最後まで続けてこられました。
 理事長が強い思いをもって訴えてこられた新しいグループホームやショートステイは、今ようやく実現の目途がつき、設置に向けた具体的な動きが始まっています。理事長の決して諦めることのなかったご遺志を、行政としてもしっかりと引き継いで着実な事業の推進を図らなければならないと考えています。
 しかしその前に、障がいを持つ一人ひとりの人が、その人らしく暮らしていくことができる地域づくりを進めていくためには、あの事件のことは決して忘れてはならない、ということを、告別式で障がいをもつ理事長のお嬢さんの激しい慟哭を耳にしながら、改めて強く心に刻みました。

忘れてはならないこと

 相模原市にある知的障がい者入所施設「津久井やまゆり園」で、重い障がいがあるとされる19人の方が刃物で刺されて殺害され、27人が負傷する事件が起きてから8か月が経ちました。
 犠牲になられた方の数の多さはもとより、「障害者は生きている価値がない」「障害者は不幸をつくることしかできない」という容疑者の言葉に、多くの人が強い衝撃を受けたはずです。
 「習志野市手をつなぐ育成会」の上部組織である「全国手をつなぐ育成会連合会」は、事件直後に次のような声明を発表しています。

 「私たちの子どもは、どのような障害があっても一人ひとりの命を大切に、懸命に生きています。そして私たち家族は、その一つひとつの歩みを支え、見守っています。事件で無残にも奪われた一つひとつの命は、そうしたかけがえない存在でした。国民の皆様には、今回の事件を機に、障害のある人一人ひとりの命の重さに思いを馳せてほしいのです。そして、障害の有る無しで特別視されることなく、お互いに人格と個性を尊重しながら共生する社会づくりに向けて共に歩んでいただきますよう心よりお願い申し上げます。」

 重い障がいのためにご自分の感情を言葉で表現することが困難な理事長のお嬢さんが、母親の告別式の会場で激しく泣き崩れた様を目の当たりにして、参列者はみな、この母と娘がどれほど強い愛情と信頼関係で結びついていたかということを、どのような言葉よりも深く理解することができたと思います。
 このようなかけがえのない存在を、価値がない、不幸な存在だと断じてしまうというのは、どういうことなのでしょうか。何が幸せなのか、ということは人それぞれの価値観に基づくものであって、他人が幸不幸を判断するものではありません。ましてや、重度の障がい者は不幸だと一方的に断じてしまうというのは、ひとの輝きを感じ取ることのできないような価値観しか持ち合わせていないということなのでしょう。

 私たち地方行政の役割は、一言でいうと「住民の福祉の増進を図る」ということになります(地方自治法第1条の2)。ここでいう「住民の福祉」とは、バリアフリーなどといった狭義の「福祉」を指しているのではなく、「住民一人一人の幸福感」という広義の福祉を意味しています。
 この「幸福感」は、前述したように人それぞれに違いがあり、一様ではありません。地方行政はこのような住民それぞれの様々な幸福感の違いを包摂し、認め合う仲立ちを担いながら、目指すべき都市像を描いていく役割を持っています。
 行政は、このような住民一人一人の多様性を包摂し認め合う寛容性と柔軟性を持ちながら、一人一人の住民がそれぞれにかけがえのない存在であることを、常に忘れてはならないと思います。
 アサヒグループホールディングスの泉谷直木会長は、「私の経営組織論は桃太郎軍団。雉は俯瞰力、猿は奇略力、犬は嗅覚力、これらの多様性を取り込んだダイバーシティ&インクルージョン経営でなければ、変化の激しい時代を生き抜くことはできない。」と新聞のコラムに投稿されていました。
 障がいのあるなしだけではなく、性別や年齢、出身地、宗教、性的指向などにかかわらず、皆地域の一員として社会参加を続けることができる包容力のある地域、他人を受け入れるやさしさのある社会を醸成していかなければならないことを、理事長のお嬢さんによって再び思い起こさせられた告別式でした。

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