No.15 平成8年11月15日号 食糧増産の願いを込めて

更新日:2022年09月29日

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 柔らかな日差しをうけて、たなびくたわわな稲の穂。実りの秋の風情として、きわめて日本的な風景ですが、住宅都市として発展している習志野において、水田は実籾地区や藤崎の森林公園付近でしかみられなくなってきています。しかし以前は、低地を中心に水田が広がっていました。近世以降、水田は耕作権が複雑に入り組み、不定形・不規則に並んでいるため、機械化や効率化が難しく、生産性の向上が図りにくい状態でした。しかし第二次世界大戦後には、食糧増産の気運にのって、各地で耕地整理や水利の整備を目的とした土地改良事業が行われました。
 藤崎2丁目にも昭和32年から始められた土地改良事業の記念碑が立っています。この事業は総工費500万円と、のべ9000人の労力をかけ、昭和35年に完成しました。藤崎の水田地帯は、習志野の中でも広い耕作面積をもっており、そこでの生産効率を上げるため、当時としては巨額を投じて、大規模な土地改良が行われたのでした。
 その後、盛んに稲作が行われていましたが、都市化の進展とともにこの地区の水田は、住宅や学校の敷地として利用されるようになり、次第に姿を消していきました。土地改良の象徴であった記念碑の周りにも、現在は盛り土がされ、駐車場として利用されていますが、この記念碑と揚水ポンプのパイプが、在りし日の姿を物語っています。

水田に入り苗を投げ入れている男性2名の白黒写真

苗を投げ入れる田植えをしています

土地改良記念碑と木製の小さな小屋が立っている白黒写真

昭和54年頃の土地改良記念碑

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