No.105 平成20年2月1日号 ネズミ

更新日:2022年09月29日

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ネズミ

 今年(2008年)の十二支は 子 (ね)です。これを表す動物は鼠ですので、今回はネズミを話題にとりあげてみましょう。

 ネズミは、一部の種類がペットとして飼われ、アニメーションの主人公としても親しまれており、かわいい動物というイメージが強いかもしれません。しかし、その一方では古くから人間に恐れられた動物でもあります。大切な農作物や食料を食い荒らしたり、病原体を媒介したりして、人間に深刻な被害を与える害獣という側面もあるからです。こうした面での人間とネズミとのかかわりは、習志野の歴史の中にも見ることができます。

 明治44年(1911年)2月5日付けの『千葉毎日新聞』には、千葉郡農会が当時の津田沼町・幕張町・検見川町で試験的に実施した 野鼠駆除(やそくじょ)で、一定の効果があったことが報じられています。当時、貯蔵していたサツマイモに対するネズミの被害がかなりあったことがうかがえます。

 第一次世界大戦中、現在の東習志野4丁目にドイツ兵捕虜の収容所がありました。大正4〜8年(1915年〜1919年)の間、ここに捕虜として収容されていたカール・クリューガー氏が、当時の回想録をのこしています。収容所生活を克明に描いたとても興味深い貴重な記録ですが、その中でネズミについて次のような記述があります。
「一度、我々の居室の中だけで、24時間の内に罠で20匹以上のねずみを捕まえたことを思い出す。このねずみの害について言えば、これらが我々にとって実に腹立たしいものだったことは、何の不思議もない。我々は食料品、石鹸、ろうそく等々を、それらをかじられずに翌朝も再び見い出そうと思うならば、夜の間、そこら辺に置きっぱなしにすることは出来なかった。これらの物を連中から守るためには、それ(この品々)を細ひもで天井からぶら下げておくことが必要だった」。クリューガー氏はさらに、ネズミが「習志野で我々を悩ませた唯一の害獣だった」とも述べています。

 長年にわたる防除努力や都市化によって、私たちの暮らしからネズミの脅威は遠ざかっていきました。しかし、近年になって新たな被害の拡大も報道されるようになってきています。ネズミと人間との間の難しい関係は今後どのようになっていくのでしょうか。

参考文献

『習志野市史第四巻史料編3』習志野市役所、平成6年
ユルゲン・クリューガー編ディルク・ファン=デア=ラーン訳「カール・クリューガーの回想録から」『習志野市史研究』第3号、平成15年

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