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習志野市 未来のために〜みんながやさしさでつながるまち〜習志野
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No.52 平成13年10月1日号 ならしの“よもやま話” 「上人塚」

更新日:2007年8月23日

ならしの“よもやま話”「上人塚」

 いつのことかは定かでありませんが、実籾の八幡稲荷の南西方面に上人塚〔しょうにんづか〕という名前の塚があったそうです。上人(僧)というのですから、そこに寺かなんかがあって、お坊さん達が修行をしていた姿を思い浮かべた方がいらっしやるかもしれませんが、実際のところは、そうではなかったようです。
 今は宅地となっており、その上人塚もなくなってしまいましたが、昔は、このあたり一帯は見渡すかぎり田んぼだったそうで、そのまわりが土手になっていて、日当たりのとてもいいところだったようです。そこに自然とできた洞穴があって、どこからやってきたのか一人の上人が住み着きました。
 そして、その穴の中で上人は、鉦〔かね〕をつきながらお経をあげたりして、修行を始めました。鉦の音は洞穴で反響し、やがて地域の人々の耳に届いていきます。しかし、その上人も生きていくためには食べていかなければなりません。そこで、この地域を托鉢〔たくはつ〕してまわり、食べ物なんかを分けてもらうようにしました。
 でも、その上人も修行の身でありながら、自分の先行きには不安をもっていたようです。托鉢して歩いた地域で、洞穴の近くに住む人たちに、「この鉦の音が聞こえなくなったら、私が往生したんだと思ってくれ」と話していたそうです。この上人が洞穴に住み着いてから、いったいどれくらいの時がたったのでしょうか?托鉢して歩く上人の姿を見かける人もだんだん少なくなっていき、いつしか鉦の音も聞こえなくなってしまいました。
 このことがあってから、その上人がいたあたりを上人塚と呼ぶようになったのです。そして、その洞穴だけではなく、そこら一帯の田んぼを、上人塚といったそうです。もしかすると、その上人がいなくなっても、この地域に住む人の心の中に、上人がつく鉦の音が届いていたのかも知れませんね。

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