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海老錠と鍵 ―奈良・平安時代のセキュリティ―

更新日:2018年3月20日

これは何でしょう?

 となりの写真の細長い棒状のモノは習志野市指定文化財にも指定されていますが、いったい何に使われた道具でしょうか。右側には丸い穴が開き、左側の先端はアルファベットの「H」状の形をしています。
 歴史ドラマがお好きな方は、これによく似たものを登場人物が「カチャカチャ」と使うシーンを見たことがあるかもしれません。

海老錠と鍵

 
 実は、これは「海老錠」と呼ばれる錠前をはずすために用いられた奈良・平安時代の鉄製の鍵です。匙(し)とも呼ばれます。写真の鍵は谷津貝塚X-22c地点の竪穴建物跡(9世紀後葉〜)から出土しました。

 海老のように錠前の弦の部分が丸く反ったような形をしていることが海老錠の由来です。奈良時代の首都であった平城京の排水溝跡の中からは、この海老錠と鍵がセットで出土しており、都城跡や官衙(古代の役所)に関連する遺跡で多く見つかっています。

 習志野市の周辺では、市川市の遺跡からも鍵が出土しています。特に市川市国府台は下総国の国府が所在していた場所であり、古代の役所周辺で出土する傾向が千葉県においても見られます。

海老錠の仕組み

 
 では、奈良・平安時代の海老錠と鍵は、どのような仕組みだったのでしょうか?ここでは、古代施錠具の研究者である合田芳正氏作成の模式図をもとに説明したいと思います(図をクリックするとアニメーションが始まります)。

(1)まず鍵をかける際には、右側にある(めす)金具の弦の部分を扉の把手の部分、壺金具
  と呼びますが、こちらに通します。
(2)そして次に、(おす)金具の弦受け部分に弦を通しながら、バネ軸を筒に差し込みます。
  するとバネが筒の中で開きますので、牡金具が固定されて弦から抜けなくなります。

(3)次に鍵をはずす場合には、鍵を筒部分の向かって右側にある鍵穴から差し込みます。

(4)そのまま鍵の先端でバネを抑えながら押し込み、バネを筒から出します。

 ここで重要なのは、先端がバネの構造に対応するような合い鍵でなければバネを抑えられないという点です。模式図のように縦方向に1つだけバネがついているものだけではなく、バネが水平方向に2つ連なっている錠前もあります。
 谷津貝塚から出土した鍵は、先端がアルファベットのHのような形をしてますので、バネを真ん中から2つ同時に抑えることができます。おそらくは、このようなタイプのバネに対応する鍵だったと考えられます。

 以上のように、海老錠は特定の合鍵を用いることではずすことができました。また、海老錠の鍵が出土したということは、それだけ厳重な収納・保管が谷津貝塚の集落で行われていたことも意味しています。

谷津貝塚と鍵

 
 日本では、大阪府野々上遺跡から出土した海老錠が古く、大体7世紀の中頃(飛鳥時代)になります。谷津貝塚で出土した鍵は平安時代(9世紀)の竪穴建物跡から出土しました。

 谷津貝塚では平安時代に至ると、次第にX-22c地点などにおいて、大型の掘立柱建物が数多く作られるようになります。こうした掘立柱建物群は、客人をもてなすための宴会の場として使われたり、あるいはいろいろな物資や備品などを収納・保管するための施設だったと想定されています。
 なお、千葉県では、海老錠本体は7点以上、鍵は5点以上出土しています。やはり掘立柱建物を伴う大規模な集落や、官衙に関連する遺跡での出土が多いという傾向があります。 

 
 谷津貝塚で出土した鍵が、扉の施錠に使われたのか、あるいは櫃(収納用の箱)などの施錠に用いられたのか定かではありません。ただ、堀立柱建物のような物資の収納・保管が可能な施設で、財産や貴重品などの物品の厳重な管理を行うために錠前・鍵が用いられた可能性は十分にあるでしょう。

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このページは社会教育課が担当しています。
所在地:〒275-8601 千葉県習志野市鷺沼2丁目1番1号 市庁舎2階
電話:047-453-9382 FAX:047-453-9384

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